「自分だけよければいい」は苦しみの始まり

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天国と地獄の箸

自分(自我)に執着すると苦しくなる

今の世の中は物があふれています。食べ物、衣服、住居、生きるのに必要なものはだいたいなんでも手に入ります。

食べ物もたくさんあるし、物は豊かでなんでも手に入る、なのに何だか生きるのが苦しい、そういう世の中です。なぜか多くの人が生き苦しさを感じています。

何だか生き苦しいのは、「自分だけよければいい」と自我に執着しているからです。高度経済成長の時代には自分の財産、自分の地位、名声に執着してそれらを得るのが成功であるということになっていました。社会は人々に自我に執着するようにマスメディアなどで煽って経済を成長させてきました。競争に勝ち抜くことが成功であるとされてきました。勝つ人がいれば必ず負ける人がいます。自分さえ勝ち組になれば、負け組の人はどうなってもいい、そういう考え方です。

そういうふうに「自分だけよければいい」という自我への執着が強ければ強いほど、実は自分自身の心の苦しみは強くなるのです。自我執着の強さと苦しみは比例します。

なぜそうなるかは以下で詳しく説明します。

 

「自分の思考」=「自分」ではない

最近は坐禅が流行っているようです。多くの人は坐禅の修行は何も考えずに思考を無にすることだと思っています。

坐禅を体験した人はどうしてもいろいろ考えてしまって思考を無にできない、難しいと言います。それは当然です。

心臓の鼓動、肺の動き、肝臓の分泌を止めることができますか。決してできません。ではなぜ脳の動きを止めることができると思っているのでしょうか。人間は自分の臓器を自分でとめることはできません。思考は脳からの分泌物であり、脳からでてくる思考を止めることなどできなくて当たり前なのです。

思考を止めるのではありません。脳から思考が分泌され流れてくるのを客観的に観察するのが坐禅です。「自分の思考」と「自分」を同一視しないということです。思考はただの脳からの分泌物であって、自分自身ではありません。

 

「自分(自我)」は「台風の目」と同じで実体がない。

人間の体は細胞でできています。そして細胞は原子からできています。食事をすると食べて物の原子と体の原子は毎日少しづつ入れ替わります。古い原子は排泄されます。そして約3年で元の体の原子はすべて新しいものに入れ替わってしまいます。3年前の自分の体はもうどこにも存在しないのです。

自分というのは台風の目に似ています。衛星写真を見ると台風の目ははっきりあるのがわかります。でも本当にそこに目があるわけではありません。風が渦を巻いてその中心部は実体がない空洞です。どもはっきりあるように感じます。もし風が止まれば台風の目も消えてしまいます。

「自分」はこの台風の目と同じものです。実は実体がない空洞です。五感と思考という流れによってあるように見えているだけです。

本当は存在しない「自分」なんかに執着して何になるでしょうか。実体がないものに執着するから苦しくなるのです。

 

「自分」=「他人」、区別はない

自分が空洞であるなら、自分と他人の区別などというものも無いでしょう。他人を区別して本当は無いものに執着するから苦しくなるのです。実は自分も他人も同じ一つのものです。

 

過去から未来に流れる「時間」も幻想

私たちの脳の強力なパワーによって、本当は無いのにあると思わされているのは「自我」だけではありません。

多くの人は過去から未来に流れる「時間」が存在すると思っています、この「時間」も実は脳が生み出す幻想です。過去から未来に流れる「時間」というものはこの世には本当は存在しないのです。本当にあるのは今この瞬間だけです。

 

自我執着を手放すと楽になる

諸行無常、人間はたった100年ほどでこの世から無くなってしまいます。必ず失われる、そしてそもそも実体がない「自分」や「時間」に執着して苦しんでどうするのでしょうか。

この自分はいつかこの世から必ず無くなってしまう。無くなるというかもともと無いのだ、自分というのは脳から分泌される思考が生み出す幻想です。

そうやって自我執着を手放すのです。そうすると一気に心が楽になるのを感じるはずです。自分と他人の区別もない、他人を自分と同じくらい大事にする、そうやって生きていくことが、苦しみをなくし楽になる唯一の方法です。

 

山の草木がお手本

山に生えている草や木は本当に立派です。春になれば咲いて、時が来れば黙って去っていきます。人に認めてもらいたいとか、あれがしたいこれがしたいなどとは言いません。

自我執着がまったくありません。ただあるがまま今瞬間を生きています。こういう山の草木の生き方が苦しみをなくし楽に生きるお手本なのです。

傳田塾

 

 

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